うつとアルコール
うつになると、大多数の方には憂うつな気持ちや不眠が現れます。このような場合、「うつかもしれない…」と考えてすぐに医療機関にかかる方は少ないでしょう。とりあえず、自分でできることをやってみるのではないでしょうか。
中には憂うつな気持ち(抑うつ気分)をまぎらすためや解消するために飲酒をする方がいるかもしれません。不眠(睡眠障害)に対処するため飲酒することもあるかもしれません。その結果、うつの他にアルコールの問題を抱えてしまうこともあります。
うつ病とうつ病ではない人を比較すると、うつ病の人ではアルコール依存症を合併する率が高く、またアルコール依存症にはうつ病がよく合併すると言われています。
一般的には、飲酒によって憂うつな気分が解消するかのように思われています。実際にストレス解消法としてお酒を飲む方が多いのも事実です。名古屋市が実施した『健康と暮らしの調査』(平成19年度)でも、ストレス解消方法として「飲酒」と答えた方が、男性で26.8%、女性で12.8%いらっしゃいました。しかし、大量の飲酒を続けると、抑うつ気分を強め、罪悪感や不安を生じることが示唆されています。
周囲の方へ
うつの時の飲酒は、自殺行動や自殺の危険を高めることも示唆されています。
さらに、うつ病の薬物治療中、すなわち抗うつ薬や抗不安薬を服用している時の飲酒にも注意が必要です。アルコールは抗うつ薬の効果を増強し副作用を強めます。
「うつかな?」と思ったら、アルコールとの関係にも注意を向けてみましょう。
また、症状が悪化しないうちに、医師等の専門家のアドバイスを受けましょう。